被害額2円50銭。それでも下された有罪判決
2010年、大阪地方裁判所で、ある男性に有罪判決が言い渡されたと報じられています。男性は電気料金の滞納で自宅の電気を止められており、住んでいたマンションの共用廊下にあるコンセントから電気を引いて、テレビを見ていたとされています。
このとき認定された被害額は、約2円50銭相当とされています。今の感覚でいえば、ほとんど”ゼロ”に近い金額です。
それでも判決は、懲役1年・執行猶予3年という有罪判決でした。金額だけを見れば、驚くほど重い結果に感じられるかもしれません。
たった数円でも、裁判で有罪になることがある。では、法律の世界では”金額の大きさ”はまったく関係ないのでしょうか。
Q. 金額が小さければ、罪にはならないんじゃないの?
A. 多くの人がそう考えがちですが、法律の条文には「〇円以上なら罪になる」といった金額の下限は定められていません。理屈の上では、1円でも1万円でも、考え方そのものは同じです。
もちろん、実際に警察が動くかどうか、裁判にまで進むかどうかは、金額だけでなく、そのときの状況や悪質さによって変わってきます。数分の充電がすべて事件になるわけではありません。
ただ、先ほどの大阪のケースのように、自宅のテレビのために継続して電気を使っていたり、事情が悪質だと判断されたりすれば、金額が小さくても重く扱われる可能性はあります。
「少額だから大丈夫」という感覚と、法律上の線引きは、まったくの別物なのです。そして、こうした”電気”をめぐる事件は、ここ数年も各地で起きています。
