「何もない場所」を見つめ続けても幻が見える
視覚に関する実験の中には、真っ白な壁や、色のついた半透明の板を目の前に置いて、ずっと見つめ続けるというものもあります。この状態を続けると、多くの人が何らかの模様や光を見たと報告するとされています。
これは、目から入ってくる情報が極端に単調になったとき、脳が自分自身の中にある活動を「見えているもの」として拾い上げてしまうために起こると考えられています。
鏡の顔の錯視も、これと似た仕組みが関わっているのではないかと考える研究者もいるようです。では、もし鏡ではなく、人と人が見つめ合ったらどうなるのでしょうか。
もし「相手の顔」を見つめ続けたら
鏡の実験を行った研究者は、その後、二人一組になって薄暗い部屋でお互いの顔を見つめ合うという実験も行ったとされています。
この実験でも、参加者の多くが相手の顔が変形して見えたり、まったく知らない誰かの顔に見えたりしたと報告したといいます。中には、相手の顔が怪物のように見えたと語った人もいたそうです。
つまり、鏡がなくても、暗さと見つめ続けるという条件さえそろえば、同じような現象が起きる可能性があるということです。ここで、この現象にまつわる数字をもう一つ紹介します。
