ある実験参加者が語った不思議な体験
先ほど紹介した実験の参加者の中には、鏡に亡くなった親の顔が浮かび上がって見えたと語った人もいたとされています。実際、この実験では「親や親戚の顔に見えた」という回答が18%ほどあったといいます。
また、人間の顔ではなく動物の顔に見えたと答えた人も一定数いたそうです。こうした証言は、単なる想像というより、視覚そのものに何らかの変化が起きていることを示しているようです。
このように、見える顔の種類は人によってさまざまだったとされています。実はこの現象には、きちんとした名前が付けられています。
「奇妙な顔の錯視」という名前の由来
この現象は研究の世界で「奇妙な顔の錯視」を意味する言葉で呼ばれています。英語では「ストレンジ・フェイス・イリュージョン」と表記され、その名の通り「見慣れた顔が奇妙に見える」ことを指した名前です。
2010年に発表された論文で初めてこの名前が使われたとされ、それ以降、心理学の分野で広く使われる呼び名になったようです。
名前が付けられているということは、それだけ多くの研究者が関心を持ってきた証拠とも言えそうです。では、この実験がどのような環境で行われたのか、もう少し詳しく見てみましょう。
