説その3:中国の「圓」との関係説
日本銀行が紹介する3つ目の説は、中国とのつながりに注目したものです。「円」の旧字体は「圓」と書きますが、この文字は中国語では「ユアン」に近い発音で読まれます。
中国の通貨を英語で表記する際には「YUAN」というつづりが使われており、この「YUAN」が形を変えて「YEN」になったのではないか、という説です。
日本と中国は文字を共有してきた歴史が長く、通貨の単位となる漢字も共通していました。そのため、表記の面でも影響を受け合っていたとしても、不思議はありません。
香港で使われていた銀貨「壱圓」の話
この説をより具体的に裏付けるエピソードとして、香港の銀貨が挙げられます。19世紀、香港のイギリス造幣局では「香港壱圓」と刻印された銀貨が発行されていました。
当時、東アジアの貿易では、スペインやメキシコから流入した銀貨が広く使われており、これらは「銀圓」と呼ばれていました。日本の新しい通貨制度は、こうした地域の銀貨と同じ品位・同じ重さを目指して設計されたとも伝えられています。
「圓」という文字も、この流れの中で日本に取り入れられていったと考えられます。
