説その2:外国語との混同を避けたという説
日本銀行が紹介するもうひとつの説は、発音とは違う角度からのものです。それは「EN」という表記が、すでに外国語で別の意味を持つ単語として使われていたため、それを避けるためだった、という考え方です。
当時、日本と交流のあったヨーロッパの国々の言葉の中に、「en」というつづりの単語がいくつか存在していました。これらと同じ表記になってしまうと、通貨の単位なのか、それとも別の意味の単語なのか、外国人から見て紛らわしくなってしまいます。
そこで区別のために「Y」を加えたのではないか、というのがこの説の考え方です。
オランダ語・フランス語の「en」の意味とは
具体的には、オランダ語で「en」は「〜と」「そして」という意味を持つ言葉です。またスペイン語やフランス語でも「en」は「〜の中に」といった意味でよく使われる単語だとされています。
日常的に頻繁に使われる単語だからこそ、通貨の単位として使うと混乱を招きやすかったと考えられます。
こうした「見た目は同じでも意味が違う」という現象は、外国語を扱ううえでよく起きることです。当時の日本の担当者が、貿易相手国の言葉にも配慮して表記を工夫した可能性は、十分に考えられる話です。
