なぜ不幸が続いた?「呪われている」と語り継がれる場所・物20選、その正体とは?

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⑳ベル・ウィッチの洞窟は、地域史と怪談が重なった場所

米国テネシー州アダムズ周辺で語り継がれている「ベル・ウィッチ」は、1817年から1821年ごろ、ベル一家が謎の存在に悩まされたという伝説です。物音がしたり、家族が叩かれたり、声が聞こえたりしたとされ、最後にはジョン・ベルの死まで怪異と結びつけられました。現在は、ベル一家の旧地に近い洞窟が「ベル・ウィッチ・ケーブ」として観光地になっています。

ただし、この話には史料上の大きな注意点があります。ノースカロライナ州の公文書を扱う機関の解説では、当時の同時代資料がなく、広く知られる物語のまとまった形は19世紀後半の出版物に現れたとされています。つまり、「1817年から怪異が起きた」という伝承と、「その話がいつ文章として記録されたか」は別問題です。

ベル・ウィッチの物語には、霊が聖書を唱えたり、家族それぞれに違う態度を取ったりする細かな描写があります。こうした具体性があるほど、実際に起きた出来事のように感じやすくなります。しかし、細かく描かれていることと、史料で確認できることは同じではありません。

死因まで「呪い」に組み込まれた理由

ベル・ウィッチの物語では、ジョン・ベルが1820年12月20日に死亡したこと自体は歴史上確認されています。一方で、彼が謎の霊によって毒殺されたという部分は、後世の伝承に含まれる説明です。テネシー百科事典も、目に見えない存在が家族を苦しめたという話を紹介しながら、現代から見ると伝説として受け止める必要があることを示しています。

現在のベル・ウィッチ・ケーブは、怪談を体験する観光地であると同時に、地域の歴史を伝える場所でもあります。ここまで見てきた20の事例を並べると、古代の墓、宝石、人形、絵、島、森など形は違っても、「実際の事故や死」と「後から加わった物語」が重なっている例が多いことに気づきます。

洞窟は現在もベル・ウィッチ伝説の中心的な見学場所として使われています。元の家屋が失われた一方、洞窟が残ったことで、「伝説の舞台を実際に歩ける」という観光上の価値も生まれました。

ベル・ウィッチの話は、後世に書かれた記録が現在のイメージを大きく形づくっています。どんなに古い怪談でも、最初から現在の形で伝わっていたとは限りません。

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この記事を書いた人

「知ってよかった。誰かに話したくなる。」を合言葉に、暮らし・歴史・言葉・お金・身体・食べ物など、身近だけど意外と知らない雑学を日々調査してお届けしているBest For Youの編集チームです。難しいテーマもわかりやすく、読み終わった後につい誰かに話したくなるような記事づくりを心がけています。