2026年上半期は60代が最多でした
「特殊詐欺は高齢者だけが被害に遭う」というイメージがありますが、最新の警察庁資料では少し違う姿が見えます。令和8年上半期は、特殊詐欺全体で被害額、認知件数ともに60代が最多でした。警察庁は、被害が幅広い年代に及んでいる一方、被害額で見ると50代以上が約8割を占めるとしています。つまり、特定の年代だけの問題ではないものの、年齢が上がるほど被害が無視できない状況は続いています。
年代を限定して考えるより、「自分や家族にも起こり得る」と捉えるほうが実際の対策につながります。60代が最多だったという数字から、60代だけを特別に警戒すればよいわけではありません。2026年上半期の資料でも、被害は幅広い年代に及んでいるとされています。家族で対策するときは、「高齢の親だけの問題」とせず、親子それぞれの使う電話やSNSに合わせてルールを作るほうが実用的です。家族の誰かが投資やSNSを使わなくても、電話を受ける人と送金する人が別になる家庭では、全員が知っておく意味があります。
「65歳以上」で見ると別の数字になります
年代の切り方にも注意が必要です。警察庁の令和7年確定値では、法人被害を除いた特殊詐欺について、65歳以上の被害認知件数は14,232件で、全体の51.3%でした。被害額では832.4億円で、全体の59.0%を占めています。2026年の分類変更があるため、2025年の数字をそのまま2026年と比べることはできませんが、「高齢者の被害が大きな割合を占めてきた」という背景を知る材料にはなります。
次は、若い年代まで含めて見ると何が分かるのかを整理します。65歳以上の割合が51.3%という数字は、「被害者の半分以上が65歳以上」という意味です。一方で、残りの約半分は65歳未満です。つまり、高齢者対策は重要ですが、それだけでは全体をカバーできません。2025年の統計では20代や30代の被害認知件数が大きく増えたと警察庁が説明しているため、家族間で年代を問わず情報を共有する必要があります。親だけに注意を任せないことも予防策の一つです。
