特殊詐欺は「電話だけ」とは限りません
特殊詐欺と聞くと、「息子を名乗る電話」や「役所からの電話」を思い浮かべる方が多いかもしれません。ところが、最近の統計を見ると、電話だけでなく、SNSやインターネット上の広告などを入口にした被害も大きな割合を占めています。警察庁は令和8年(2026年)から統計上の整理を改め、SNS型投資詐欺とSNS型ロマンス詐欺も特殊詐欺の一手口として扱うようにしました。
つまり、昔から知られている「電話の詐欺」だけを覚えておけば十分、という状況ではありません。「電話が来た時点で見抜こう」と考えるより、そもそも会話を始めない仕組みを作るほうが分かりやすい場合があります。電話、SNS、広告など入口が違っても、最後にお金を動かす段階では「今ここで決めてほしい」と急がせる流れが出てきます。入口だけで安心せず、途中で金銭の話が出たら警戒することが大切です。最近は連絡手段が増えたことで、警戒する場所も電話だけに限定できなくなっています。まずこの前提を知っておくことが、対策の出発点です。
まず知っておきたい「認知件数」の意味
今回のランキングでは、警察庁が公表した令和8年1月から7月末までの「認知件数」を基準にします。認知件数とは、警察に被害として把握された件数です。実際に試みられたすべての詐欺や、相談だけで終わったケースまで含む数字ではありません。そのため、「この順位が犯人から電話や連絡を受ける確率をそのまま示す」とは言えません。ただ、どの手口の被害がどの程度確認されているのかを比べる材料にはなります。次からは、この基準で下位から順に見ていきます。
また、認知件数は年齢、地域、手口、被害の申告状況などで変わります。数字が大きいからといって、すべての人が同じ頻度で狙われているわけではありません。この記事の順位は、読者が「今、どんな手口が多く把握されているのか」を知るための目安として使うのが適しています。数字の意味まで理解すると、必要な対策も選びやすくなります。数字を読むときは、件数そのものと、そこから何が分かるのかを分けて考えることも大切です。ランキングの基準を先にそろえておきましょう。
