被害額で並べると、見える景色が変わります
ここまでの順位は認知件数を基準にしたものです。ところが、令和8年上半期の被害額を見ると、SNS型投資詐欺が797.9億円、ニセ警察詐欺が507.9億円、SNS型ロマンス詐欺が246.6億円と大きな金額になっています。架空料金請求詐欺は74.6億円、オレオレ詐欺は68.9億円でした。件数ランキングと被害額ランキングは一致しません。どちらも同じ「被害」を表しますが、前者は件数、後者は失われた金額を示す別の指標だからです。
被害額の数字を見ると、「件数が多い手口だけ警戒すればよい」とは言えないことが分かります。令和8年上半期だけでも、SNS型投資詐欺とニセ警察詐欺で合わせて1,305億円を超える被害が認知されています。しかも、これは警察が把握した分に限られます。ニュースを見るときも「何件だったか」と「いくらだったか」の両方を見る習慣をつけると、手口ごとの特徴を立体的に捉えられます。件数だけでは分からない被害の重さを考えるためにも、金額の数字を合わせて見る必要があります。
1件当たりの被害にも大きな差があります
同じく令和8年上半期の警察庁資料では、既遂1件当たりの被害額はSNS型投資詐欺が1,362.5万円、ニセ警察詐欺が1,163.9万円、SNS型ロマンス詐欺が984.1万円でした。オレオレ詐欺は380.7万円、架空料金請求詐欺は250.2万円です。これは平均的な被害を表す数字なので、すべての被害者がその金額を失うという意味ではありません。
ただ、SNSや偽警察を入口にした手口では、複数回の送金などによって被害額が大きくなるケースがあることは押さえておきたいところです。では、どの年代に被害が集まっているのでしょうか。1件当たりの被害額は、すべての被害者が経験する金額ではありません。大きな被害が一部に集中することで平均が押し上げられることもあります。それでも、送金を一度で終わらせず、追加の支払いを重ねさせる手口では被害額が膨らみやすいことを示す参考になります。「最初は少額だったから大丈夫」とは判断せず、追加でお金を求められた段階で立ち止まりましょう。
