なぜメーカーは、わざわざ期限を短めにしてきたのか
メーカーが期限を短めにしてきた理由の一つは、品質のばらつきへの備えです。同じ工場で作った同じ商品でも、すべてがまったく同じ品質になるとは限りません。
もう一つは、保存環境の違いです。お店に届くまでの輸送中や、家庭での保存のされ方は、商品ごとにさまざまです。夏場の車内に置かれたり、冷蔵庫の開け閉めが多かったりと、検査どおりの条件で保存されるとは限りません。
そして、期限内に品質が落ちてしまえば、メーカーは苦情や信用の低下というリスクを負います。期限を短めにしておけば、そうしたトラブルを避けやすくなります。
安全係数は、メーカーにとっての”保険”のような役割を果たしてきたわけです。ただ、その保険がかけられすぎることで、別の問題も生まれていました。
Q. 安全係数をかけなくてもいい食品もあるの?
A. あります。2025年に消費者庁が示した新しいガイドラインでは、レトルトパウチ食品や缶詰などの食品のように、安全性が十分に担保されている食品については、「安全係数を考慮する必要はない」との考え方が示されました。
こうした食品は、製造の段階でしっかりと殺菌され、密封されているため、品質のばらつきや保存環境による影響を受けにくいからです。
つまり、すべての食品に一律に余裕を持たせる必要はなく、食品の特性に応じて、余裕の持たせ方を考えるべきだということです。
そして新しいガイドラインでは、安全係数の考え方そのものについても、大きな見直しが行われました。
