一度受け取ったら、お店にはお釣りを渡す義務がある
では、お店が1万円札を受け取ったあとで「やっぱりお釣りがない」と言われた場合はどうなるのでしょうか。
タクシーの運賃をめぐる弁護士ドットコムニュースの解説では、乗客が1万円札を渡した時点で、乗客は運賃の支払い義務を果たしているとされています。そのうえで、運転手側にはお釣りを準備して乗客に渡す義務がある、と説明されています。
さらに、お釣りを渡さずにそのままにすれば、本来受け取るべきでないお金を受け取ったことになり、それを返す義務(不当利得の返還義務)が生じる、とも指摘されています。
つまり、断れるのは”受け取る前”まで。受け取ったあとに「お釣りがないから返さない」ということは、基本的に通らないということです。
Q. 「1万円札お断り」と書いてあるお店では?
A. お店が事前に「1万円札はご遠慮ください」「高額紙幣は使えません」などと示している場合は、その条件に従うことになると考えられます。
法律事務所の解説では、どんなお金で支払うかは当事者同士で合意できる、とされています。「当店では現金は扱っておりません」というキャッシュレス専門のお店が合法なのも、同じ理屈です。
別の弁護士の解説でも、支払いに使うお札の種類について事前に合意があれば、それに従うことになるという趣旨の説明がされています。
バスや自販機が1万円札を受け付けないのも、まさにこの「事前に条件を示している」ケースにあたります。反対に、何の条件も示されていなければ、お札での支払いは原則として断れません。
