Q. 商品をレジに置いた時点で、もう”買った”ことになるの?
A. 契約は、一方の「申し込み」と、もう一方の「承諾」がそろったときに成立するとされています。レジでいえば、お客さんが商品を差し出すのが申し込み、お店がそれに応じるのが承諾にあたると考えられます。
ただ、コンビニやスーパーのレジで、具体的にどの瞬間に契約が成立するのかについて、はっきりと決めた裁判所の判断は見当たりません。商品を置いたときなのか、バーコードを読み取ったときなのか、お金を受け取ったときなのか、状況によって考え方が分かれる部分です。
少なくとも、先ほどの弁護士の解説のように、お店が”お釣りも含めて受け取ってよい”と判断するまでは、契約が成立していないと考える余地がある、ということです。
そしてお店がその判断に迷う最大の理由が、お釣りの準備です。実は、お店がお釣り用の小銭や千円札を用意するのは、私たちが思っている以上に手間のかかることなのです。
お店はお釣り用のお金を、どうやって用意しているのか
お店のレジには、営業を始める前から、お釣り用の千円札や硬貨が用意されています。こうしたお金は、多くの場合、お店が銀行などで両替して準備しています。
ところが最近は、多くの銀行で、窓口や両替機での両替に手数料がかかるようになっています。硬貨の預け入れに手数料がかかるようになったのと同じように、お釣りを用意すること自体にコストがかかる時代になっているのです。
少額の買い物で1万円札が続けば、お店はそのたびに大量のお釣りを手放すことになり、また両替に行かなければなりません。お店が少額の1万円札を歓迎しない背景には、こうした事情もあると考えられます。
お店の事情も、お客さんの事情も、それぞれに理由がある。では、法律はこの問題にどう答えているのか。ここまでのヒントを、一度整理してみましょう。
