ここまでのヒントを整理すると
まず、硬貨は法律で「20枚まで」と強制通用力の範囲が決められていました。21枚目からは、お店が受け取りを断ることができます。
次に、自販機やバスのように、あらかじめ「1万円札は使えません」と条件を示していれば、受け付けなくても違法ではありませんでした。
そして、法貨には「受け取りを拒めない」という強制通用力があり、拒めば受け取る側が受領遅滞の状態になる。ただし、それが問題になるのは、契約が成立してから、という前提がありました。
あとは、お札の強制通用力にどんな範囲が定められているのか。それが分かれば、「1万円札で1円の買い物」の答えが見えてきます。
Q. 硬貨の上限を決めた法律と、お札のルールを決めた法律は同じ?
A. 実は、別々の法律で決められています。硬貨のルールは「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」、お札のルールは「日本銀行法」です。
硬貨は国(政府)が発行するお金で、正式には「貨幣」と呼ばれます。一方、お札は日本銀行が発行するお金で、正式には「日本銀行券」と呼ばれます。
つまり、同じ”お金”でも、発行している主体も、ルールを決めている法律も違うのです。
では、日本銀行法には、お札についてどんなことが書かれているのでしょうか。そこにあったのは、硬貨の「20倍まで」とはまったく対照的な、たった一つの言葉でした。
