巨額の費用をかけたのに大失敗に終わった歴史的プロジェクト6選

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完成した原発が一度も商業運転しませんでした

次は米国ニューヨーク州ロングアイランドのショアハム原子力発電所です。ここが特に驚かれるのは、建設途中で放棄されたのではなく、ほぼ完成した発電所が商業運転に入らないまま終わった点です。ニューヨーク州の監査資料では、建設と許認可にかかった費用は約56億ドルとされています。

計画の始まりは1965年でした。当初は6500万〜7500万ドル程度の建設費で、1973年春の完成が想定されていました。その後、発電容量の拡大や設計変更などが重なり、見積もりは上昇します。1973年には建設費が5億6000万ドルとされ、その後も費用と完成時期は大きく変わっていきました。わずか数千万ドル規模だった初期構想が、最終的には数十億ドルの計画になったのです。

原発は発電所として動き始めてからも長い期間、安全管理や設備更新が必要です。そのため、建設前の許認可だけでなく、運転後まで続く制度や地域社会との関係が重要になります。

しかも、原子炉が実際に発電する前には、試験運転や緊急時対応の確認も必要でした。施設を造った後も、運転を始めるまでに満たすべき条件が多い分野です。

規制への対応で費用と工期が膨らみました

ショアハムでは、原子力施設に求められる安全基準が変化するなかで、設計の変更が相次ぎました。ニューヨーク州の監査資料では、事業者側が、連邦政府の規制強化に対応するための設計変更が費用増加と遅れの主な理由だったと説明しています。一方で、地元自治体との調整も長引きました。複数の原因が重なって工事は予定どおりには進みませんでした。

このケースで難しいのは、どこまでを「必要な安全対策」と見るかです。大事故を防ぐために追加の設備が必要になることはあります。しかし、そのたびに完成費用と資金調達の負担は増えます。巨大な原発計画では、工事が長引くほど借入金の利息なども膨らみやすくなり、さらに費用が増えるという悪循環が起きやすくなります。

安全性を高める変更には合理的な面がありますが、計画途中の大幅な設計変更は、部品の作り直しや工事のやり直しを招くことがあります。複雑な設備ほど、一つの変更が別の場所にも影響しやすくなります。

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この記事を書いた人

「知ってよかった。誰かに話したくなる。」を合言葉に、暮らし・歴史・言葉・お金・身体・食べ物など、身近だけど意外と知らない雑学を日々調査してお届けしているBest For Youの編集チームです。難しいテーマもわかりやすく、読み終わった後につい誰かに話したくなるような記事づくりを心がけています。