「完成できない」のではなく「続ける価値が低い」と判断されました
X-33は2001年に終了しました。NASAは3月1日、後続の宇宙輸送計画からX-33へ追加資金を出さないと発表し、NASAとロッキード・マーティンの協力契約も3月31日に終了しました。NASAの歴史資料では、NASAの投資はほぼ10億ドル、ロッキード・マーティンは約4億ドルとされています。
この決定は、単に「機体が作れなかったから」という一言では説明できません。米会計検査院は、技術上の問題、現実的でない費用見積もり、リスク管理の不足などを挙げています。また、NASA自身も継続に必要な投資に見合うだけの利益が見込めないと判断しました。費用を追加すれば完成できる可能性があっても、その金額を別の用途に回す選択肢が出てくるからです。
NASAの判断では、追加投資を続けるより、次の宇宙輸送研究へ資金を振り向けることが優先されました。つまり、ある技術が面白いことと、その技術を今の計画で最後まで完成させることは別々に判断されます。
失敗した技術が後の宇宙開発に残すものもあります
X-33は実用機を飛ばせないまま終わりましたが、そこで研究された技術がすべて消えたわけではありません。NASAはその後も、再使用型宇宙輸送の研究を続けています。大型技術計画の失敗は、目標そのものを達成できない一方で、材料、エンジン、製造方法などの知識を残すことがあります。
こうした事例を見ると、「使ったお金に対して完成しなかった」という事実と、「何も学べなかった」という意味は分けて考える必要があります。ただし、次の計画で同じ問題を繰り返さないためには、何が原因だったのかを記録しておくことが欠かせません。最後は、ここまで見てきた6件を並べて、失敗の共通点を整理してみます。
NASAの後続計画では、再使用型宇宙輸送を一つの方式だけに賭けず、複数の技術を比較する考え方が重視されるようになりました。X-33の経験は、技術の見通しと費用を同時に確認する必要性を示しています。
宇宙開発では、同じ目的に複数の技術を試すことが珍しくありません。一つが中止されても、得られた試験データや製造上の知見が別方式の設計に役立つ場合があります。失敗を記録して共有することが、次の開発の速度を上げます。
