30回を目安にするなら「全部」ではなく一部から始める
普段の食事で突然すべてのひと口を30回にすると、かえって面倒になって続かないことがあります。そこで、まずは主菜の一口だけ、昼食だけ、あるいは最初の5口だけを意識する方法がおすすめです。数字を達成することより、「飲み込む前に食べ物が十分に細かくなっているか」を確認すると自然にできます。
特に、ご飯やパンだけでなく、肉、きのこ、野菜など噛みごたえのある食品を意識すると、違いを感じやすくなります。ただし、硬い物を無理に選ぶ必要はありません。歯や顎に問題がある人は、食べやすい硬さの食品を選ぶことが優先です。続けやすい小さな目標から始めるほうが、毎日の習慣にしやすいでしょう。
30回を目標にすることで、「普段は何回噛んでいるのか」に気づけます。それだけでも食べ方を変えるきっかけになります。数えるのが負担なら、時計の秒針を気にする必要もありません。食べ物の形がほぐれ、唾液と混ざって飲み込みやすくなったら次へ進む、という感覚で十分です。数字はあくまで補助役です。
ひと口の大きさを小さくすると、自然に噛む時間が増える
「もっと噛みましょう」と言われても、回数を数えるのが苦手な人は少なくありません。そんなときは、最初から口に入れる量を少なくする方法があります。ひと口が小さくなれば、食べ物を細かくまとめるまでに必要な動作が減り、噛むことそのものを意識しやすくなります。箸やスプーンで取り分ける量を少しだけ小さくするだけでも変化を作れます。
さらに、一度口へ入れたら次のひと口をすぐに運ばないことも大切です。口の中が空いてから次へ進むだけで、食事の間隔が自然に広がります。これは咀嚼回数を増やすよりも簡単に実践できる場合があります。食べ方を変えるときは、「30回」という数字よりも、「ひと口を小さくする」「次のひと口を急がない」という二つを先に試してみるとよいでしょう。
最初に選ぶ食品は、普段の食事で問題ありません。いきなり生野菜や硬い肉だけにする必要はありません。むしろ「いつもの料理を少し丁寧に食べる」ほうが変化を比べやすくなります。昨日は急いで食べた、今日は一口を小さくした、と比べれば、自分に合う方法が分かります。無理なく続けられることが最優先です。
