第4位 アイスランド貝は500年以上生きた
アイスランド貝、学名Arctica islandicaは、北大西洋の冷たい海に暮らす二枚貝です。この種で特に有名なのが「Ming」と呼ばれた個体で、殻の成長線を数えることで507歳と年齢が判定されました。507年という数字のすごさは、単に500を超えたことだけではありません。人間社会なら、江戸時代より前から現代までを一個体が生きた計算になります。長いあいだ海底で成長を続け、その痕跡が殻に残っていたのです。
しかも、この貝の殻には海の環境の情報も刻まれています。成長線の幅や殻に含まれる成分を調べることで、過去の海水温などをさかのぼる研究にも利用されています。長寿は、そのまま「過去を記録する力」にもつながっていました。アイスランド貝は海底に埋もれながら生活する二枚貝です。活動が目立ちにくい生き物ですが、殻には長い時間の成長が残ります。見た目が地味でも、研究対象として非常に価値の高い生き物なのです。
507歳はどうやって分かった?
アイスランド貝の年齢測定で使われるのが、殻にできる成長線です。木の年輪と似ていて、成長が季節によって変化することで線が刻まれます。これを数えることで、何年分の成長が残っているかを推定できます。さらに、同じ時代に生きていた別の貝の殻と線のパターンを照合すると、年齢の対応をより確かめられます。こうした方法によって、単一の殻だけでなく、より長い海洋環境の記録を作ることもできます。
つまり507歳という記録は、見た目から「古そう」と判断した数字ではありません。体に積み重なった成長の痕跡を一つずつ読み取って得られた数字です。では、507年さえ上回る生き物は存在するのでしょうか。ここからが、このランキングで最も意外な領域です。成長線は一年に一本とは限らず、環境条件や季節によって形成されます。そのため研究では、複数の殻を比較したり、既知の年代と照合したりしながら、線がどの年に対応するのかを丁寧に確認します。
