第2位 「1万年級」のガラス海綿
深海に生息するガラス海綿の仲間には、非常に古い個体の存在を示す研究があります。Monorhaphis chuniという深海海綿では、骨格を作る巨大な骨針の成長記録から、寿命が約1万1000年、誤差を含めて約8000〜1万4000年と推定された研究があります。数字だけを見ると、507歳のアイスランド貝さえ小さく感じるほどです。人類史のかなり長い期間を、一つの海綿が生き続けた計算になります。
ただし、こちらも「誤差のない1万1000歳」と考えてはいけません。研究で使われたのは骨針の成長と海水温の記録などを組み合わせた推定です。直接誕生日を確認したわけではありません。それでも、数千年から1万年級の動物が存在する可能性を示す、非常に興味深い研究であることに変わりはありません。Monorhaphis chuniは、深海で巨大な骨針を作るガラス海綿の仲間です。
骨針の成長には長い時間の変化が残るため、研究者はそこから過去の海水温を推定し、寿命の長さも考えています。
海綿なのに「ガラス」と呼ばれる理由
ガラス海綿という名前は、体の骨格がガラスのような成分でできていることに由来します。骨格を支える細かな構造が、シリカという物質で作られているためです。深海の低温で食べ物が限られる環境では、成長が非常にゆっくりになります。その結果、骨格に長い時間の情報が積み重なります。研究者は、この成長の記録を使って、海の過去の環境を読み取ろうとしています。つまりガラス海綿は、単に長生きするだけではありません。
気候や海水温の過去を知るための「自然の記録媒体」のような役割も果たします。では、これを上回る数字を本当にランキングの1位に置けるのでしょうか。最後の順位では、長寿ランキングで特に混同されやすい条件の違いにも触れながら答えに近づきます。ガラス海綿の骨格には、ガラスと同じ意味ではないものの、ガラス質と表現されるシリカの構造があります。細かな針状の部品が複雑に組み合わさり、独特の姿を作っています。
同じ種類でも個体差があるため、この年齢をすべての個体に当てはめるのではなく、記録として受け取る必要があります。
