寿命の数字はどうやって調べる?
長寿生物の年齢を調べる方法は、種類によってかなり違います。アイスランド貝なら殻の成長線、ロックフィッシュなら耳石の輪、グリーンランドサメなら目の水晶体に残る放射性炭素が使われます。木の年輪を思い浮かべると分かりやすいでしょう。体の中や外側に「時間が刻まれる場所」があれば、それを読み取ることで年齢を推定できます。とはいえ、すべての生き物にきれいな年輪があるわけではありません。
また、研究では複数の方法を組み合わせたり、既知の年代と照合したりして精度を高めます。年齢測定は一度数えれば終わり、という単純な作業ではありません。特に数百歳、数千歳になると、わずかな読み違いが大きな差につながります。年齢測定の方法は、その生き物の体の作りによって選ばれます。調査のたびに新しい方法が追加されることで、以前は分からなかった生物の寿命まで少しずつ明らかになっています。
数字だけでなく、暮らしている場所や体の仕組みまで合わせて見ると、この長寿記録がなぜ生まれたのかが見えてきます。
放射性炭素で年齢が分かる仕組み
グリーンランドサメや深海サンゴの研究で出てくる「放射性炭素」は、時間を測るための目印の一つです。生物が取り込んだ炭素の一部は、時間がたつにつれて一定の速さで減っていきます。その変化を調べることで、どれくらい昔のものかを推定できます。とくにグリーンランドサメの研究では、1950年代から1960年代に行われた核実験によって大気中の放射性炭素が一時的に増えたことが、年齢を考える手がかりになりました。
こうした特徴的な時期があると、年代を照らし合わせやすくなります。ただし、放射性炭素測定も万能ではありません。試料の取り込み方や海の環境によって解釈が変わることがあります。だからこそ、研究では「推定値」として幅を持たせることがあるのです。放射性炭素は考古学でも使われる年代測定の手法で、過去の年代を知る手がかりになります。海に暮らす生物の場合は、海水中の炭素の循環なども考える必要があり、単純な時計として扱わないことが重要です。
