第9位 アカウニは200年級まで生きる
赤ウニと呼ばれるアカウニは、見た目こそ小さく感じるかもしれませんが、長寿の海洋生物として知られています。研究では、放射性炭素を使った調査から、野生個体が100年以上、さらに200年近く生きる例が報告されています。面白いのは、年齢を重ねても繁殖能力が大きく落ちにくいことです。人間では高齢になるほど体の機能が変化していきますが、アカウニでは年齢による低下が目立ちにくいと報告されています。
もちろん「200歳のアカウニが毎年普通に見つかる」という意味ではありません。研究で確認された非常に高齢の例です。それでも、海底でゆっくり暮らす一個体が人間の寿命を倍近く上回る可能性があることは、かなり驚くべき話でしょう。アカウニは太平洋東部の沿岸などに分布し、海藻を食べながら海底で暮らします。身近な貝や魚と同じ海の生き物でも、寿命の時間尺度が大きく違うことが分かります。
数字だけでなく、暮らしている場所や体の仕組みまで合わせて見ると、この長寿記録がなぜ生まれたのかが見えてきます。
長生きしても年を取らないように見える不思議
アカウニの研究で注目されるのが、年齢を重ねた個体でも繁殖の衰えが小さい点です。もちろん、これは「老化しない」と完全に同じ意味ではありません。人間の老化と同じ基準をそのまま当てはめることはできないからです。生物の老化は、体が壊れていく速さ、死亡率の上がり方、繁殖能力の変化など、いくつもの要素から見ます。ある面では年齢による変化が小さくても、別の面では変化が起きている可能性があります。
こうした研究は、長寿そのものだけでなく、「生物はなぜ年を取るのか」という大きな疑問にもつながります。長寿生物は、私たちが当たり前だと思っている老化の仕組みを見直す材料にもなっているのです。次は魚の中でも特に長生きする種類に目を向けます。こうした研究では、年齢が上がった個体の死亡率や繁殖能力を調べます。ある性質が保たれていても、外敵や病気への弱さまでなくなるわけではないため、「不死」という言葉には置き換えられません。
