「たった一つの判断ミス」が招いた歴史的大事故6選

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ホテルの通路はなぜ突然落ちた?

1981年7月17日、米国ミズーリ州カンザスシティのハイアット・リージェンシー・ホテルで、吹き抜けに設けられたつり下げ式の歩廊が崩落しました。NISTの調査では114人が死亡し、多数の負傷者が出ました。当時、ホテルではダンスイベントが開かれており、吹き抜けの歩廊にも多くの人が集まっていました。

事故原因を調べたNISTは、歩廊を支える鉄骨のつなぎ部分に、想定された荷重を十分に支える能力がなかったことを最も可能性の高い原因としました。特に重要だったのが、設計図の段階で行われた変更です。人が歩くための通路そのものが突然壊れたのではなく、見えない上部の接合部に問題が潜んでいました。

事故当時はホテルの吹き抜けでイベントが開かれ、多くの人が集まっていました。普段なら問題なく見える構造でも、設計上の余裕が不足していれば、人が集中した場面で弱点が表面化します。

人が集まる場所では、設計上の小さな弱点が一度に大きな荷重を受けることがあります。普段問題がないことだけでは、安全の証明になりません。

変更されたのは鉄骨のつなぎ方だった

当初の設計では、屋根から下ろした一本の長い吊り棒で、上側と下側の歩廊を支える構造でした。ところが施工側は、このままでは作業が難しいとして、吊り棒を途中で分け、上側の歩廊を介して下側を支える形へ変更しました。この変更によって、上側の接合部が受ける力は大きく増えました。

NISTの資料では、変更後の構造は、4階歩廊の接合部へ伝わる力を実質的に2倍にし、もともと余裕の少ない部分へ負担が集中したことが説明されています。しかも、その変更は設計技術者に承認されました。問題は変更したことそのものだけでなく、変更後にもう一度、構造全体を計算し直す確認が十分に行われなかったことでした。

構造物の設計変更は、見た目が同じでも力の伝わり方を変えることがあります。材料の本数や位置だけを見て「ほぼ同じ」と判断すると、重要な違いを見落とすことがあります。

施工上の都合で変更すること自体は珍しくありません。問題は、変更によって力の流れが変わる可能性を見つけたとき、もう一度設計を確認できるかです。

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この記事を書いた人

「知ってよかった。誰かに話したくなる。」を合言葉に、暮らし・歴史・言葉・お金・身体・食べ物など、身近だけど意外と知らない雑学を日々調査してお届けしているBest For Youの編集チームです。難しいテーマもわかりやすく、読み終わった後につい誰かに話したくなるような記事づくりを心がけています。