「今の気持ちに名前をつける」だけでストレスが和らぐ意外な心理の仕組み

当サイトは、広告収益により運営されています。

脳の中では何が起きているのか

感情を扱う研究では、脳の中で出来事をどう受け止めるかが重要なテーマになります。特に恐怖や強い警戒と関係する部位としてよく知られているのが扁桃体です。ただし、扁桃体だけが「感情を担当する脳」だと考えるのは正確ではありません。感情には、さまざまな脳領域や体の反応が関わっています。扁桃体は、危険かもしれない刺激に素早く反応する仕組みの一部として説明されます。

たとえば大きな音が突然すると、頭で考えるより先に体がびくっとすることがあります。これは、危険の可能性を素早く捉える仕組みがあるからです。ところが人は、そのあとで「今の音は工事だった」と意味をつけられます。すると、最初の警戒とは違う対応ができます。感情を言葉にする研究が注目するのは、まさにこの「反応が起きたあとに、意味を整理する」部分です。次は、言葉を使うことがなぜ単なる説明以上の働きを持ちうるのかを考えます。

なお、扁桃体の反応は危険な刺激だけに限られるものではなく、感情的に重要な情報の処理にも関係します。だから「扁桃体が働いた=危険」という単純な読み方は避けたほうが安全です。

もう少し読み進めると、広告がさらに少ない特別モードに突入します。

言葉は感情を分類する道具になる

「つらい」という言葉だけでは、原因も種類も分かりません。一方で「失敗するのが怖い」「無視されたのが悲しい」「予定が狂って焦っている」と言い換えると、出来事と感情の関係が見えやすくなります。言葉には、ぼんやりした体験に区切りをつける働きがあります。これは辞書で説明を引くような単純な作業ではなく、自分の内側に起きていることを一段引いて眺める行為です。

ここで大切なのが、「感情そのもの」と「感情について考えている自分」を少し分けられることです。怒りの中にいると、相手への反応がそのまま行動につながることがあります。「私は今、腹が立っている」と言えれば、少なくとも一瞬だけ、自分と怒りの間に距離ができます。その距離が大きいとは限りませんが、次の行動を選ぶ余地になります。言葉が持つ力は、この小さな間隔にあるのかもしれません。

この分類ができると、「何をすればいいか」を考える材料も増えます。怒りなら距離を置く、不安なら情報を確認する、疲れなら休むなど、感情に応じて対応の候補が変わるからです。次は、実際の生活で起こる怒りや悔しさを例に、感情を分けると何が見えやすくなるのかを考えます。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
友人にシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「知ってよかった。誰かに話したくなる。」を合言葉に、暮らし・歴史・言葉・お金・身体・食べ物など、身近だけど意外と知らない雑学を日々調査してお届けしているBest For Youの編集チームです。難しいテーマもわかりやすく、読み終わった後につい誰かに話したくなるような記事づくりを心がけています。