「意外とちゃんとしてるんだね」
「意外とちゃんとしてるんだね」は褒め言葉です。しかし「意外と」が付くと、「きちんとしていない人だと思っていた」という前提が伝わることがあります。褒められたのに喜びにくいのは、低い期待を感じるからです。
たとえば、仕事を予定どおり終えたときや、準備を丁寧にしてきたときに言われる場合です。成果を認めるなら「資料が分かりやすかった」「準備が丁寧だった」と具体的に伝えられます。それを「意外と」とまとめると、今回の行動よりも、普段の人柄を低く見ていたことが強調されてしまいます。褒め言葉でも、前提にある評価が相手を傷つけることがあるのです。
一度の言い間違いで、相手に見下す意図があると判断する必要はありません。普段から相手の仕事や努力を軽く扱い、うまくできたときだけ驚いたように評価するなら、受け止め方も変わってきます。自分が誰かを褒めるときも、「意外と」「思ったより」を外し、目に見えた工夫や結果を伝えると、余計な含みが生まれにくくなります。
「私だったら絶対しない」
「私だったら絶対しない」は、自分の考えを述べる形で、相手の選択を下に置くことがある言い方です。自分なら選ばないと伝えるだけなら問題ありません。しかし、失敗や悩みを打ち明けた相手に言うと、「自分ならそんな間違いはしない」という比較に聞こえます。
たとえば、買い物や転職、恋人との関係などについて相談したとき、事情を聞く前にこの言葉が返ってくる場面です。本人には本人なりの事情があり、後からなら別の選択肢が見えることもあります。経験や価値観が違うのに、自分を基準に評価すれば、助言ではなく優劣をつける会話になってしまいます。
違いを伝えたいなら「私は別の方法を選ぶかもしれないけれど、そうした理由は何だったの?」と聞くこともできます。言われた側も、相手の価値観まで納得する必要はありません。自分の選択と相手の選択を、勝ち負けにしないことが大切です。次に取り上げるのは、選択そのものではなく、傷ついたという気持ちまで小さく扱ってしまう表現です。
